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ごあいさつ

新たな年に向けた「教育活動の充実」について

   日本の“少子化”は予想以上の速さで進んでいます。そこで国は、幼児教育の無償化やこども家庭庁の発足など大きな歴史的転換点となる施策を打ち出し、それとともに私たち幼児教育を担当する者の役割や責任もより一層注目されています。特にこの急激な少子化の進展は、幼児教育の“量から質”への転換を強く求め、幼児期に身につけさせたい能力として“非認知能力”(社会情動的スキル)が注目されています。つまり、小学校以降の教育で中心となる認知能力(知識の量や出来ること=数値化できる能力)の土台を支え、将来より良い人生を送るための基礎となる能力(興味・関心・意欲を持ち、仲間と共に粘り強く物事に取り組む姿)=“自ら学ぶ姿”を育てることだと言われています。

『幼稚園は、子どもがはじめて出会う学校です!』~これは、私どもが加盟します全国私立幼稚園連合会が掲げるキャッチフレーズですが、“学びの出発点”を担う私ども幼稚園は、「満3歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児<略>」の「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、その心身の発達を助長する<略>」(学校教育法)ことを目的に学校教育機関としてその教育内容の充実に取り組んでまいりました。

新年度の発足にあたり、本園の教育活動の充実に向けた取り組みについて、幾つかの“キーワード”をご紹介します。

先ず本園の沿革を見ますと、創立は昭和2年、旧田辺町の各宗派14ヵ寺で組織する「大蔵協会」という寺院の団体が話し合い、海蔵寺(南新町)の境内に“昭和幼稚園”を発足させました。以来“仏教保育綱領”の下で各宗派を超えた教育活動を積み重ね、昨年度末の第96回卒園式では、修了証書の最終授与番号が10,106号となり、卒園児さんの総数がいよいよ1万人を越えました。

さて平成30年、ほぼ10年ごとに改訂されます「幼稚園教育要領」が改められましたが、その中心テーマは「子どもたちの“学びに向かう姿”を育てよう!」というもので、子ども主体の遊びや活動を通してしっかりとした“自ら学ぶ姿”を育てようという目標が示されています。本園の取り組みの最初の“キーワード”は、

◎.昭和幼稚園では、子ども主体の遊びを通して“自ら学ぶ姿”を育てます。

幼稚園の教育活動を通して子どもたちに身につけさせたい“資質や能力”として、生涯に通じる“学びの基礎”となる資質や能力とはどんなことでしょう。それは、

①「知識・技能の基礎」=豊かな体験を通して、感じたり、気付いたり、分かったり、出来るようになったりする力。

②「思考力・判断力・表現力の基礎」=気付いたことや出来るようになったことを使いながら、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする力。

③「学びに向かう力・人間性など」=心情・意欲・態度が育つ中で、より良い生活をつくり出そうとする力。・・・・・以上の三つの“学びの基礎”となる資質や能力をしっかりと育成します。

 

《私たちは、この『心情』『意欲』『態度』を次のように考え、子どもたちや保護者の皆さんに“合言葉”として呼びかけています。》

『心情』とは、「感受性が豊かで、やさしさや思いやりの心を持つ“やさしい子”」

『意欲』とは、「何事にも興味を持ち、積極的にチャレンジする “かしこい子”」

『態度』とは、「ていねいに取り組み、最後まで根気強く頑張る“たくましい子”」

私たちは、『“やさしく”(徳育)、“かしこく”(知育)、“たくましく”(体育)』と

いう具体的な目標を子どもたちと共有しています。そして“学校”としての役割と責任

として「小学校から大学につながる“学び”の出発点として、より質の高い教育を提供

する。」という強い決意とともに、個人差にきめ細かく対応する“学級担任制”を通し

て一人ひとりの特性をしっかり把握し、これからの学校生活に適応できる“集団性と協

同性”を高める教育活動をより一層充実させてまいります。

 

◎.幼児期は、自立に向けた“あそびまなび”(豊かな体験活動)ということが何よりも大切です。

 子どもたちは、幼稚園に入園する3歳になると自分のまわりの物事への関心が高くなり、人と人との関わりも急速に広がりはじめます。そして、家族に全てを依存していた生活から飛び出し、幼稚園での様々な活動を体験しながらゆっくりと“自立”に向かいはじめ、自分の力で出来ることをどんどん増やしていきます。

私たちは、日々の終礼でたくさんの「はじめて○○が出来るようになりました。」という教職員からの報告を楽しみにしています。

 

◎.最後に『ショウワ名物、ドロ団子!』という“あそびまなび”を象徴するキーワードがあります。 

 

「手のひらは体の外に飛び出した“脳”であり、足の裏は“心臓”である。」と言われ

ますが、子どもたちの豊かな成長にとってたいへん大切な感覚器官だという意味です。

そして、「幼稚園での豊かな“あそび体験”の中で多くのお友だちと関わり、自立に

向かって多くのことを学ぶ。」という意味でもあります。ですから子どもたちにとって幼稚園が楽しければ楽しいほど、より一層豊かに大きく成長します。

私たちは、「友だち大好き!先生大好き!幼稚園大好き!」と言っていただけるよう

30名の教職員が心を一つに、厳しさの中にもやさしさと楽しさに充ちた“昭和幼稚園づくり”をめざしています。

enchou-komugi.jpg昭和幼稚園 園長
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